【読書記録】ー失敗の本質
今回は技術的な勉強の内容ではなく、読書記録としての記事となります。
第一回目は「失敗の本質」です。
- 作者: 戸部良一,寺本義也,鎌田伸一,杉之尾孝生,村井友秀,野中郁次郎
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1991/08/01
- メディア: 文庫
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組織論の名著として名高い本書ですが、実は以前に入門書である以下の書籍を読んでいました。組織に所属して仕事をする上で、思い当たる課題がいくつも指摘されており、当時非常に感動した覚えがあります。
「超」入門 失敗の本質 日本軍と現代日本に共通する23の組織的ジレンマ
- 作者: 鈴木博毅
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2012/04/06
- メディア: 単行本
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その時からいつか原書を読んでみたいと思っていたのですが、今回ようやく購読することができたので、本書を通じて学んだことをまとめていきます。
サマリー
組織としてのミッションを達成する上で戦略、組織、風土の3要素が必要。
まずベースとして組織、風土があり、その上に戦略がある。この三つをいかに高いレベルで両立させるかが組織責任者としての腕の見せ所となる。
組織
特に、変化する環境に合わせて自ら考え方や戦い方を変える自己革新組織であることの重要性を本書では説いている。常に情報を収集し、世の中の流れに対して敏感であることが肝要。いつまでも過去の成功体験に縛られ、同じやり方を繰り返しているようでは市場の変化に対して生き残れない。
風土
上司が部下に戦略としての指示を出す前に、信頼のある人間関係を構築していることが重要。それがなければいくら論理的に正しいことでも部下は反発を覚え、指示に従わない可能性も出てくる。また、VUCAの時代にある中、上司の指示が必ずしも正しいとは限らない。部下からの意見を引き出し、それを踏まえて戦略を立てていくためにも仕事の内容だけに限らず、プライベートの内容でも部下の話を聞き、議論できる風土を作っていくことが必要。
戦略
現場での業務遂行がいかに優れていようとも戦略が的外れであれば決して結果を出すことはできない。また、戦略なし、あるいはあいまいな戦略での戦いはリソースを分散させるだけで、敗戦につながる。これは以下のサイトにも詳しく書かれています。
そのため、どこで勝つのかを明確にし、それを組織のメンバーに理解してもらうことが重要。大東亜戦争でアメリカ軍はゲームチェンジ(勝利につながる指標の変更)をし、日本軍に勝利した。このようなゲームチェンジを意識した戦略を立てられるかどうかが後追いの企業にとって高シェアの企業に勝つためのキーポイントとなる。